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「文学散歩」生みの親、野田宇太郎の回顧展が町田市民文学館で

「文学散歩」というジャンルを確立した野田宇太郎(1909~1984年)の回顧展「野田宇太郎、散歩の愉しみ-「パンの会」から文学散歩まで-」が、1月21日から3月20日まで、町田市民文学館ことばらんどで開催される。文学に「散策する愉しみ」を拓いた野田宇太郎の業績を、彼が散策の途上で「見つめていたもの」を通じて再考する試み。

野田宇太郎

 福岡県出身の野田宇太郎は、早稲田高等学院中退。久留米を舞台に詩人として活躍し、上京後は小山書店、第一書房、河出書房で文芸誌の編集に携わり、木下杢太郎に影響を受けた。野田は杢太郎の死をきっかけに近代日本文学研究者としての人生をスタートさせ、戦後の表情を変えた東京の町を歩きながら、古きよき東京の面影と失われつつある文学の痕跡を見出した。

 野田はまた「文学散歩」を通じて発見した文学の痕跡から、時代を遡行することで明治末期の文芸運動<パンの会>を見出す。それは、隅田川にフランスのセーヌ川を重ねたかつての<パンの会>の青年詩人や画家たちと同様に、野田自身の新たな文芸復興運動となった。

 本企画の関連イベントとして、評論家・川本三郎氏による講演「近代文学の復興者・野田宇太郎のまなざし」(2月11日)、日本近代文学研究家・山田俊幸氏による講演「散歩の達人・野田宇太郎・<雑誌>が繋ぐ文芸ネットワーク」(3月11日)や、雑司ヶ谷霊園、谷中霊園、馬込文士村、日本橋、町田等を講師とともに実際に歩く「文学散歩」が予定されている。