女の決闘

女の決闘太宰治

太宰の身辺が平穏な時期に実験的な手法で執筆されたものが集められている作品集です。表題作は、森鴎外の翻訳を解体するメタフィクション「女の決闘」。聖書を元に、新婚ほやほやの夫人に一気に口述筆記させた「駈込み訴え」、シラーの詩篇を下敷きにした「走れメロス」、ふるさと人の会合で泥酔し棟方志功や秋田雨雀らを前に大失態をおかした体験を元にした「善蔵を思ふ」、その他「古典風」「誰も知らぬ」「春の盗賊」7編を収録。『女の決闘』(河出書房、1940年6月15日発行、日本近代文学館、1992年6月19日復刊)を底本に、巻頭に「ミニ解説」(北條一浩)を付けています。2010年の常用漢字改定に照らし合わせ現代仮名遣いへ改めるとともに、常用外漢字にはルビを振り読みやすくした縦書版電子書籍です。

  • 発売日
  • 価格100円

この書籍を購入できるストア

kindle.gifkobo.gifyahoo.gifhikaritv.gif漫画全巻ドットコム7net.gifbooklive.gifibookstore.gif紀伊國屋書店コミックシーモアhontodブックBOOK☆WALKER

目次

女の決闘

女の決闘連載終了

昭和15年(1940)1月号から6月号まで「月刊文章」(厚生閣)に連載された中編です。森鴎外が訳した「女の決闘」を脱構築します。「これから六回、このわずか十三ページの小品をめぐって、さまざまの試みをしてみるつもりなのである」

古典風

古典風連載終了

昭和15年(1940)6月号の「知性」(河出書房)に掲載された短編です。浅草のある町の三味線職の長女として生まれた尾上てると、奉公先の伯爵美濃英樹の嗣子美濃十郎の淡いラブストーリー。

春の盗賊

春の盗賊連載終了

昭和15年(1940)1月号の「文藝日本」(文藝日本社)に掲載された短編です。「私は、昨夜どろぼうに見舞われた。そうして、それは嘘であります。全部、嘘であります。そう断らなければならぬ私のばかばかしさ。ひとりで、くすくす笑っちゃった。」

走れメロス

走れメロス連載終了

昭和15年(1940)5月号の「新潮」(新潮社)に掲載された短編です。「メロスは激怒した。」で始まる、教科書に掲載されることも多い有名な作品です。

善蔵を思う

善蔵を思う連載終了

昭和15年(1940)4月号の「文藝」(改造社)に掲載された短編です。「私」は、故郷の新聞社から、郷土出身の芸術家として、招待を受けることになりましたが……(登場人物のモデルは棟方志功、秋田雨雀等。「善蔵」は津軽出身の私小説作家、葛西善蔵のこと)。

表記等について

  1. 読みやすさを優先し、原則として旧仮名遣いを新仮名遣いに改めるほか常用漢字表の新字体を使用するが、原文に文語文がある場合はそのかぎりではない。
  2. 常用漢字表にない漢字、当て字、異字は初出時に振り仮名を付ける。
  3. 難読語で原文を損なうおそれが少ないと思われるものについては仮名に改める。
  4. 振り仮名はブラウザによって表示が異なる。ChromeとInternet Explorerでは文字の上に振り仮名が振られる「ルビ表示」となるが、Firefoxでは文字の後に()で表示される。文字を強調する傍点は、FirefoxとInternet Explorerでは太字で表示される。
  5. ITmedia 名作文庫は、散文作品(小説、随筆、評論、日記等)を主体とする。なるべく初刊本に近いものを底本に選び、全集等、先人たちの校訂を参照する。著者の死後50年を過ぎた作品群の中には、21世紀の今日の観点からみると、差別を始めとした不適切な表現ないしは同表現ととられかねない箇所が見受けられることがあるが、原文の歴史的価値を鑑みて底本どおりとする。