虚構の彷徨 ダス・ゲマイネ

虚構の彷徨 ダス・ゲマイネ太宰治

『晩年』(砂子屋書房、1936年6月)に続き、1937年6月1日、新潮社から刊行された前衛的な第二著作集です。師匠の佐藤春夫に命名された「虚構の彷徨」は「道化の華」「狂言の神」「虚構の春」で構成される三部作。「虚構の春」では友人・知人からの手紙をコラージュし、「ダス・ゲマイネ」では「太宰治とかいうわかい作家」を登場させるなど、前衛的な創作手法に挑戦しています。ITmedia 名作文庫では新潮社版を底本に、巻頭に解説「俗っぽさに賭ける痛切な青春」(北条一浩)を収録しました。2010年の常用漢字改定に照らし合わせ現代仮名遣いへ改めるとともに、常用外漢字にはルビを振り読みやすくした縦書版電子書籍です。

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  • 価格100円

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目次

道化の華

道化の華連載終了

「人間失格」にも出てくる「大庭葉蔵」を主人公にした心中未遂物語。太宰自身が1929年に起こした事件を題材にしています。作中入水したことになっている「園」は、カルモチン中毒で亡くなった田部シメ子(あつみ)がモデルです。

狂言の神

狂言の神連載終了

1935年、大学を卒業できないことが確実になった太宰は都新聞の就職試験を受けましたが失敗、落胆のため自殺を図ろうと決心しました。銀座、浅草、江ノ島、鎌倉……死に場所を求めて歩きまわりますが、それも失敗に終わりました。この自殺未遂事件を題材に、「八十八夜」「メリイクリスマス」にも出てくる太宰の分身、「笠井一」を主人公に、自虐的に描いた短編です。

ダス・ゲマイネ

「わたし」は「馬場数馬」「佐竹六郎」「太宰治」の4人で「海賊」という同人誌を作ろうとしますが、喧嘩別れに終わります。作中、「太宰治」は「学校の先輩から小説の素晴らしく巧い男だといって紹介された」となっています。

表記等について

  1. 読みやすさを優先し、原則として旧仮名遣いを新仮名遣いに改めるほか常用漢字表の新字体を使用するが、原文に文語文がある場合はそのかぎりではない。
  2. 常用漢字表にない漢字、当て字、異字は初出時に振り仮名を付ける。
  3. 難読語で原文を損なうおそれが少ないと思われるものについては仮名に改める。
  4. 振り仮名はブラウザによって表示が異なる。ChromeとInternet Explorerでは文字の上に振り仮名が振られる「ルビ表示」となるが、Firefoxでは文字の後に()で表示される。文字を強調する傍点は、FirefoxとInternet Explorerでは太字で表示される。
  5. ITmedia 名作文庫は、散文作品(小説、随筆、評論、日記等)を主体とする。なるべく初刊本に近いものを底本に選び、全集等、先人たちの校訂を参照する。著者の死後50年を過ぎた作品群の中には、21世紀の今日の観点からみると、差別を始めとした不適切な表現ないしは同表現ととられかねない箇所が見受けられることがあるが、原文の歴史的価値を鑑みて底本どおりとする。