有島武郎

有島武郎

1878年3月、東京小石川に大蔵官僚有島武の長男として生まれる。次男は画家の生馬、三男は小説家の里見弴。学習院を経て札幌農学校で新渡戸稲造に師事。渡米しハーバード大学等で学ぶ。武者小路、志賀直哉等の「白樺」に参加し創作活動に入る。社会主義に影響を受け、北海道にあった有島農場を開放し財産を処分する。「或る女」「カインの末裔」「生れ出づる悩み」「一房の葡萄」など有名作品は多数。全集は筑摩書房『有島武郎全集』(全15巻別巻1)など。1923年6月没。(肖像写真は日本近代文学館所蔵)

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或る女

「武蔵野」で有名な自然主義作家、国木田独歩の最初の妻である佐々城信子をモデルとしたフィクションです。アメリカにいる再婚相手に会うため、太平洋航路の客船に乗った早月葉子。船上で知り合った客船事務長の倉地三吉と恋に落ち、再婚は取り止めて日本に帰国してしまいます。そして……。封建制度に反発し自我を押し通して生きようとした女性の波瀾万丈な物語です。1911年から1913年まで「白樺」に連載された「或る女のグリンプス」を元に、後半部分を書下ろして1919年、叢文閣から「有島武郎著作集」の前後編として刊行されました。ITmedia 名作文庫では、叢文閣版を底本とした各社文庫を参照するとともに、2010年度常用漢字改定に照らし合わせ、現代仮名遣いへ改めました。巻末付録に正宗白鳥による批評を収録しています。

(2016年4月 8日 発売)